【書評】『ITエンジニアの英語術』- 必要なのは5秒でチャットする力 –
はじめに
海外旅行大好き chicca です。
英語で話したいけど、何を言ったらいいかわからない。
頭では思いつくけど、単語が口からでてこない。
このような経験は英語学習者が一度は通る道ではないでしょうか?
そんなときにお勧めな本がこちらです。
ITエンジニアが現場でチャットのやりとりをすることをベースに早く英語を話すコツを紹介しています。
英語を難しく考えすぎず、シンプルに会話を進められるようになる1冊です。
見出し
PROLOGUE 世界で通用する英語力が身につく5秒チャット
CHAPTER 1 短くして5秒チャット
CHAPTER 2 分割して5秒チャット
CHAPTER 3 言い換えて5秒チャット
CHAPTER 4 質問して5秒チャット
CHAPTER 5 短縮して5秒チャット
EPILOUGE 5秒チャットの先にあるもの
ポイント
読んでみてなるほど!と感じたポイントです。
最初の一言をパターン化
多くの人は「英語は最初の一言が難しい」と感じています。色々と頭に浮かぶことはあっても何をどう英語にしてよいかわからなくなってしまうからです。
まさに、これは一番の悩み。出だしの恐怖感を克服するためにパターン化して考えてみるということです。現場での会話は3パターン。
- 質問する: I have a question.
- 依頼する: Can you please read my email?
- 確認する: Did you review my spec?
とってもシンプル。これならスムーズに会話をスタートできそうです。
また、最初に上記の3パターンをはっきりさせることで、相手に何を話したいかを自分の中でも整理できます。これは会話の目的をはっきりさせ、この点を意識するだけでも会話のスピードが上がります。
言いたいことは一度に一つ
同じような量でも、分割して伝えたほうがずっとかんたんな英語になり、早いテンポで入力できるので、読み手にとってもわかりやすいのです。
チャットも実際の会話も相手がいてこそです。英語の勉強をしていると英語を使うことに集中してしまいがちですが、大事なのは何を伝えるかです。一度に大量の情報を話すよりも短くても重要なことが伝わるように話していくことが重要です。
Um や Oh など感情を表す言葉を入れる
短い文章だとぶっきらぼうに聞こえたり、ニュアンスが伝わりずらいのでは…… と、心配になりますよね。そんな時は間投詞を使うことで感情をうまく伝えることができます。
- 【Um】: 即答できないことを表すときに使う、Well と同じ
- 【Ah】: ひらめいた、あるいは合点したときに使う
- 【Hmm】: 意外な情報に驚いている様子を表す
- 【Ha】: やっぱりそうでしょ!という感情を表す
- 【Phew】: 危険を回避して安心したときに使う
- 【Haha】: 笑うときに使う
10のことを言おうとして失敗するより、1でよいからさっと言う
英語がわからなくても議論に参加し、相手に主張していかなければなりません。だとするとやれることはただ一つ。最低限の英語で表現できるように発言する内容を変えればよいのです。
英語に詰まるのは主に表現と単語がわからないからです。短い文章を少しずつといっても英語の表現を思いつくのに苦労することはあります。そこで、自分の英語力の範囲内で何とか英文を作り出すテクニックが必要となります。そのためには、簡単な英語で言えるよう、言い換えることが大切です。
質問は会話の活性剤
質問するということは、自分が聞きたいことについて相手に話しをさせるということでもあります。つまり、あまり自分から英語を話さずとも、自分のペースで会話を進めることができるということです。
どんなに頑張って勉強していたとしても、生の英語に触れたときは想定外の会話に直面します。そうなると相手が何を言っているのか消化するのに一生懸命で、常に聞き手に回る状態になります。せっかく勉強してきた成果を発揮するチャンスなのにです。そんな時は、相手に質問を繰り返すことで会話を自分のペースに持ってくることができます。
- 言っていることがわからない場合は What
- 理由を尋ねる場合は Why
- 人物を聞く場合は Who
- 場所を尋ねるときは Where
- 幅広い文脈で使われる How
- 選択を尋ねる Which
学校で習った「5W1H」です。懐かしい。誰でも知っているよと思うかもしれませんが、「知っている」のと「使える」というのは全く次元が違います。
使い方のコツを理解して5秒チャットの中で即応できるようになりたいです。
また、「5W1H」型の質問は、Yes・No で答えられる質問より回答に時間がかかります。その間に次の会話内容の作戦を立てることもできます。
最後に
いざ使おうと思っても、なかなか使えない英語。本書に書かれていることはITエンジニアに限らず、日常英会話でも使えるコツです。必要最小限のことを極力シンプルな英語で簡潔に表現する。これは話す内容をロジック的に考える必要があります。英語の勉強だけでなく思考の整理にもつながる「考え方」も練習できる1冊でした。